采蘋(さいひん)
作品名 |
采蘋 |
収載書名 |
『詩経』「国風・召南」 |
訳者名 |
白川静 |
訳書名 |
『詩経国風』(『東洋文庫』518) |
刊行年代 |
1990 |
その他 |
祭事のための草摘みの歌。 |
于以采蘋
南澗之浜
于以采藻
于彼行潦
于以盛之
維筐及筥
于以湘之
維錡及釜
于以奠之
宗室牖下
誰其尸之
有斉季女
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于(ここ)に以て蘋(ひん)を采(と)る
南澗の浜(ひん)に
于に以て藻を采る
彼の行潦(かうらう)に
于に以て之を盛(い)る
維(これ)筐(きやう)と筥(きよ)とに
于に以て之を湘(に)る
維錡(き)と釜(ふ)とに
于に以て之を奠(お)く
宗室の牖下(いうか)に
誰か其れ之を尸(つかさど)る
斉(うるは)しき季女有り
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かたばみを采る
南の谷間で
川の藻をとる
小さな流れで
まるい箱四角い箱に
それを入れて
足のある釜 丸釜で
それを湯がいた
みたまやの窓の下に
それを供える
おつかえするのはだあれ
清らかな末娘
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